せぶんすさんはザコいオタク

とるにたらぬ うす味の人生

こたえあわせ

不気味なほどに綺麗な満月だった
とても綺麗なのにそれが気持ち悪くてたまらなかった


出かけようとする父
声をかける俺
「またみんなで出かけられればいいのにね」
答えぬ父に向かって続ける
「まだ俺はごめんなさいもありがとうもちゃんと言えてないよ?」
父はぶっきらぼうに答える
「そんなの言われんでもわかってるのよ」


見飽きた天井
母か弟に連絡しようか迷ってるうちに弟からの一報

ああそうか
会いに来ない俺に業を煮やして自分から来たわけか
世の中がまともならこっちから行ってましたよ?
息子として思うに父らしいと言えばらしいが
そこは俺が会いに行くまで待つところだろと
いや待たせすぎという事か
また謝る事が増えてしまった
ただ謝りに行くにはそこは少々遠すぎるので
またしばらく待ってもらう事になるとだけ先に言っておく


しかしあれは父が最後に伝えておきたかった事なのか
はたまた俺がそう言ってほしいと願っていた事なのか


そっち行った時に答え合わせをしよう